南雲9 絶海の無人島

76南雲@お人好し
2025-03-01 10:02:06
ID:PBfamily

トランプとゼレンスキーの会談が決裂したらしい。

>>75
>トランプの方針ではウクライナは報われない。

これだからゼレンスキーの立場では素直にハイと言えるわけもない。トランプはゼレを「第三次世界大戦を賭けようとしている」と非難したが、トランプの立場ではそう見えるだろう。でもゼレにすれば国家存亡の危機だから、平和が保障されれば領土を失っても止むなしだが、その保障のない領土と資源の割譲はできない。

トランプの目指す世界はアメリカ一強による平和。そのためにウクライナは多少犠牲になっても仕方がないとトランプは考えている。トランプの気持ちでは、アメリカが助けなければウクライナはとっくの昔にロシアにやられてたのに、今も生き残ってるのはアメリカのお陰じゃないかと。だから要求する前に感謝しろということだろう。
トランプは力を好む。逆に、弱いくせに小賢しい理屈をこねる輩を嫌う。第一次政権のとき、欧州各国がトランプに手を焼いた理由は、欧州がとかくキレイゴトの理屈や理想を唱える傾向にあるからだろう。安倍総理がうまく付き合えたのは、トランプの特徴をいちはやく見抜いて行動したからだが、おそらくトランプは最初から安倍に好印象を持っていたと思う。なぜなら安倍は第一次政権で見るも無惨な敗北をして辞任したにもかかわらず、復活して「自民一強」「安倍一強」政権を再構築した。こういう強さをトランプは好む。

そこへいくとゼレはトランプに好まれない。ロシアという大国相手に一歩も退かずに戦う強さは好まれる部分かもしれないが、ゼレが世界各国に支援を求める時はトランプの嫌う正義の理屈を使うからだ。
侵略者の悪行を見逃したら世界の秩序が崩壊する。だから各国はウクライナに協力してロシアの野望を砕くべきだ。そういう「正義」を根拠に、各国は世界秩序のためにウクライナを支援する責務があるような論法は、トランプの嫌う理屈だろう。ゼレの言い分は理屈上間違ってはいないが、トランプの心を掴めないというより、癪に障る理屈だろう。欧州各国が支援するのもゼレの理屈に賛同するからじゃない。ロシアの脅威をウクライナで止めておかねば次は自分たちが脅かされるという、現実的な計算からだ。
ゼレがトランプのメンタルを掴むなら、世界の正義よりも、ウクライナ人の祖国愛を強調すべきじゃなかったか。現実、ウクライナ軍がロシアを相手にここまで戦えている理由も、最近では限界に達してきたとはいえ祖国愛だろう。

「ロシアは大国だ。相手は強い。だが我々は屈しない。命をかけて愛する祖国を守り抜くからだ。トランプ大統領、あなたがアメリカを愛することと同様に、我々もウクライナを愛している。それでも敵はあまりに強大で、我が国の力は及ばない。幸いにもアメリカをはじめ各国の支援のおかげでここまで耐えている。バイデン大統領のアメリカにも非常に感謝している。だがトランプ大統領にはさらに大きな感謝をすることになるだろう。それはあなたが愛国者だからだ。そして大統領選挙中、邪悪な凶弾を受けても倒れず勝利を収めた強さを持っているからだ。神はあなたを祝福している。我々もあなたのように、凶弾に決して倒れない強さを欲している。どうかトランプ大統領、祖国を愛するあなたを神が祝福したように、祖国を愛する我々に、アメリカの祝福を与えてほしい」

↑↑こういう流れ(祖国愛と褒め殺し)のほうがトランプを動かせたのじゃないだろうか。褒めすぎ、媚びすぎと言われるかもしれないが現実にゼレにそんな意地を張る余裕はないだろう。ウクライナを守るためにトランプをそれくらい持ち上げても罰は当たるまい。
短文で区切って、「トランプ大統領、…」という呼びかけを多用する。そのなかで相手を持ち上げると効果があるだろう。
「助けてもらってるクセに説教じみたことを言う」のは、ゼレの悪い癖だ。それがいくら正しい理屈であってもだ。

トランプはゼレに怒ったようだが、「和平する気になったらまた来い」つまり出直して来いと言ったようで、もう来るなとは言っていないようだ。
トランプは不思議な人物で、自分に逆らう相手は容赦しないが強い男を愛する。ゼレのことを、「小国のクセに俺様に逆らいやがって」と怒る一方で、あるいは「大国のリーダーすら俺に会うのはビクビクするのに小国のリーダーの分際で俺に堂々と喧嘩を売ってくるとは、思ったよりも肝のすわった奴」と感じなかったとも限らない。

ゼレは帰国したあと、トランプの悪口をグチグチ言うべきではない。
「トランプ大統領と私は、本音で互いの立場をぶつけ合った。回りくどい腹の探り合いではない、本音の激論をした。これが、互いの繁栄をもたらすディールの始まりだ」
くらいに言っておいたほうが良いと思う。

トランプも、もしも>>75のようにロシアと中国を離間させる腹ならば、ウクライナ支援はプーチンとのディールを成功させる有力なカードになる。ここで「ゼレは無礼だ、アメリカはもう支援しない」になってしまえば、プーチンは楽になってトランプに救いを求める必要がなくなる。だからトランプも対露交渉のカードとしてウクライナ支援は終われない。

今回の米宇会談は失敗したようだが、交渉はまだまだ続くだろう。

名前:

メール欄:

内容:

File: