蜂屋邦夫『図解雑学 老子』2006, ナツメ社
「贅沢しないと金がたまる、争わない限り負けない」みたいなミニマリストの小言から急に宇宙の法則に発展する東洋のやべーやつこと老子の参考書
非論理と論理の国境を反復横跳びしながら、哲学史的には文化相対主義とか脱構築とか近現代哲学のメインストリームを2000年前に提唱してた正体不明の老人
「無から有が生まれ、有は崩れて無に帰す」っていう道の法則を為政やら家計やら恋愛やらあらゆる領域に演繹して、最終的に「貧しい人間は幸福である」っていう結論に達して功利主義者をぼっこぼこにする様は痛快だから絶対読んだ方がいい
老子の思想は市場原理を否定してるからビジネス書にはなかなか出てこないし、専門書以外で読むなら一番読みやすいのはこれだと思う