>>128
まあ現代がそんなに満ち足りた社会だとは思えないけど、昔よりは貧困層に優しい世界になってます。
私の個人的な考えだけど、経済成長していた時代には>>123でも言ったように「明日は今日より豊かになる」とか、「努力すれば報われる」という希望があったんだよね。でも、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた1980年頃からバブル時代をピークにして、その後は悲観的な未来ばかり描かれるようになった。バブル崩壊での大手企業の倒産、リストラの嵐で、努力すれば報われるという未来観が一気に崩れ去ったんだよね。それに加えて襲ってくる少子高齢化社会。一度は経済成長とともに充実したはずの社会保障も先細りだし。
あと、私よりもかなり古い世代になるけど、中卒で集団就職してた時代は、現実には努力しても報われないことが多かった。でも、みんな、「今の自分」よりも「未来の自分」が少しでも豊かになれるなら、と頑張ってたんだよね。ところが現代は、「今の自分」と「今の他人」を比べるようになった。いつの時代でも社会は不平等で、自由主義社会は「結果の不平等」を容認する社会でもある。ただ、「機会の不平等」はやっぱり是正されるべき問題。昔は、それでも「機会の不平等」も含めて「世の中そんなものだ」と諦める人が多かった。
それを是正されるべき問題として訴える人が増えたこと自体は良い変化だと思う。でも「機会の不平等」もそう簡単に解消されない。すると、矛盾に気づいてしまっただけに、それが不満になる。
金持ちの家庭の子どもと貧乏な家庭の子ども、スタートラインが圧倒的に違う社会を「そんなものだ」と思ってた人たちが、「それはおかしい」と気づいた。気づいたからって解決できない。富裕層の数が少ない以上、大半の人が、これまで気づかなかった理不尽な不幸に気づいて、希望を持てなくなった。そういう面もあると思う。