『三略』は読んだことあるけどよくセットで語られる『六韜』とはまるで別物だった。
『六韜』は兵法書というより謀略の書。藤原氏が愛読しただけのことはある。『三略』は兵法書で政治学書で哲学書みたいな。
太公望ってのはまったく信憑性がないっていうかほとんど否定していいし、黄石公も実在したとは思えないので張良が持ってたかも確かに怪しい。
張良はもとから韓の宰相家の出身だから若い頃からいくらでも兵法を学ぶ機会はあった。さらに始皇帝暗殺に失敗してから項伯のもとに身を隠してたからそこでも学ぶ機会があった。
だから『三略』の作者が劉秀でもおかしくない。
すると疑問なのは、劉秀がなぜ自分が皇太子のために作ったことを秘密にして、太公望なり黄石公を出さなければいけなかったのかになる。劉秀が謙虚だからじゃ納得できない。自分の著作であることを隠さなければならなかった理由は何だったのか。
洪武帝がアレなのはもちろんよ。劉邦以上の出世物語ではあるし猜疑心にとりつかれたのも劉邦と共通するけど、劉邦は陽、朱元璋は陰、って感じ。
永楽帝は建文帝の存在自体を抹殺してるのがちょっとね。そんな皇帝いませんでしたって。普通は、暴君だから倒したとか倒さなきゃ殺されるところだったので仕方なくとか、そういう理由を立てるのに。煬帝だって本来の皇太子が楊勇だった事実は消してないし唐太宗もいろいろ脚色はしてても皇太子が李建成だった事実までは消してない。
結局、永楽帝が明の全盛時代を築いたから皇帝としては素晴らしかったんだろうけどね。
誰の家来になるのが嫌かと言われるとそりゃ朱元璋。生きた心地がしない。
あー私も韓信は大好き。兵を用いては天才なのに、蒯通の策で劉邦を裏切ることができずに破滅した弱さもあって。友人の情で鍾離眜をかくまったり、それがバレても劉邦には逆らえなかったり、政治的な問題になると優柔不断になっちゃう。私はそういう強さと弱さを併せ持った人が好きだな。