維新は橋下さんの時代から、わざと言い過ぎみたいなことを言って喧嘩を売って、論争に持ち込んで論破する喧嘩スタイル。言ってること自体は的外れじゃないから、表現が過激であっても喧嘩がヒートアップするほどに支持者が増えるというスタイルだ。
やり方としては個人的には気に入らない(政治は一種の喧嘩でもあるが冷静な議論でなければ生産的にならない)。
共産党のこれまでの敵はもっぱら自民党だった。自民党は与党の立場上、過激なことを言えば穏健派の支持が離れるので、のらりくらりとかわして、それがダメなら裏取引で丸くおさめるタイプ。派手な喧嘩をやって支持者を失うのが怖い。そこが維新との大きな違いだ。自民の反応は「暖簾に腕押し」、維新の反応は「猛反撃」。
共産党は自民党相手ならば激怒の猛抗議でいいが、維新相手ならばこの展開はまさに維新の「望むところ」で、共産党の矛盾点を次々と指摘して逆襲するのが維新スタイル。そうやって存在感を高めて勢いをつけるのだから、現状、共産党は維新の土俵に引き込まれてるよ。
喧嘩はスルーされるのが一番痛い。共産は、戦略的に維新を「駄々っ子」のように流しておけばよかった。そうすれば維新の喧嘩売りが幼稚に見える。「対自民」と「対維新」はやり方が違う。それができないところが、共産の硬直した宿痾でもあり、議席を減らしている焦りでもあるのだろう。