法人税にしろ消費税にしろ税金は安いほうが経済には良いに決まってる。
でも税収全体をドカンと減らすわけにはいかないからどこから徴収するかが問題になる。
法人税を増やすってことは三日月くんも言ってるように日本企業の競争力が落ちるということ。日本企業の競争力が落ちればその企業の社員、下請け企業や孫請け企業の社員、その企業と取引のある関連企業の社員などが大勢リストラされたり給料を減らされたりして失業率が上がり庶民生活が破壊される。
一方で消費税を減らすことによって買い物がしやすくなって国内の消費が増える。消費が増えれば企業が儲かるわけだから上に書いたような企業への法人増税のデメリットが緩和される。
でもプラマイゼロにはならない。なぜかというと、法人増税は日本企業に打撃を与えるが、消費減税は日本企業・外国企業にかかわらずもれなく恩恵がある。さらに、消費減税したら消費喚起されるけどそれは一時的な現象にすぎない。モノが安くなったって、人は要らないものは買わないし、高くなっても要るものは買う。無理な節約をしなくて済むようになるぶん持続的に消費が増えるものの、消費減税は一時のお祭り騒ぎが通り過ぎれば消費喚起効果は徐々に下がる。それに比べて法人増税は長くなればなるほどボディブローのように企業の体力を奪っていく。
消費減税で庶民の暮らしがラクになるのは確かだけど、そのぶん失業したり給料が減ったりしたら結局ラクなのは一瞬だけで結局苦しくなる。消費税をゼロにして法人税を爆上げするなんて金持ちも貧乏人も全員総崩れになるだけよ。
基本的に、税収の総額をそのままにして税制を変えると、それで助かる人もいれば損する人もいる。損する人が潰れないようにしないといけない。つまり税制改革は損する人が新しい制度に適応できるように、少しずつ段階的に変えていくことが必要で、増税するのに突然の激増は絶対ダメ。社会の大混乱が起きて、かわりの減税効果なんて吹っ飛ぶくらいの不安による大不況になるだけだ。
私としては、今、コロナ禍で経済的に困窮してる人が増えている以上、これまでよりも少し「福祉国家化」にシフトするのはやむを得ないと思う。困窮してる人に手厚く、中間層にもある程度の負担減をする必要があって、そのために法人税をいくらか増やすのはアリだと思う。
現状では財政健全化なんてできないから、法人税をいくらか増やすことと、国債もやっぱりいくらか増やすことで財源確保するしかないと思う。