ブラウザのことを考えると忘れられないことがある。
かつて、WinXPのサポート終了直後に、IEに致命的な脆弱性が発見された。世界じゅうで、IEを使うなと言われ、一時的あるいは恒久的なIE離れが加速した。私はそのとき一時的にFirefoxに逃げたけど、それよりChromeに逃げる人のほうが多かった。
職場のPCは、一人一人に管理者権限はなく、安全性のために勝手にソフトウェアをインストールすることは禁止。安全性のために自分のUSBメモリを使うことすら禁止。そこまで安全性に神経質になっている。
IEに致命的な脆弱性が発見されたとき、私が「一時的にIE利用を停止してChromeなどを使ったほうがいいんじゃないか」と上司に提案。すると上司、「そんなの無理。パソコンを全台買い換える予算はない」と。
私が、「いや、今のパソコンのままでブラウザだけ一時的に変えたらという意味です」と言っても、「新しいパソコンを買う余裕は無い」の一点張り。
ネットに、「OSとブラウザの区別ができない上司に嘆く部下」の記事があったが、それどころか、PC本体のハードウェアとブラウザが区別できていなかった。もっとも私も直の上司じゃなくて総務のPC管理担当に話すべきだったから、提案する相手を間違えたけど、毎日毎日パソコンで仕事してる人がハードウェアとソフトウェアの区別ができないなんて思わなかった。
結局、萎えてそれ以上の提案はしなかった。IEを使い続け、一部ではサポート切れのXPにIEという組み合わせで、無事故で切り抜けられてほっとした。結局、いくら社則で厳しい安全管理を義務づけていても、現場がコレじゃ役に立たんことを痛感。