「国は安楽死を認めて」というのが毎週末Twitterのトレンドになるけど、その是非は別にして、仮に認められてもきっと【ドクター・キリコのやり方を認める】以上にはならないんだよね。
昔はどんなに絶望的な病気でもギリギリまで延命してたのが、今では延命至上主義をやめて緩和を選択肢に入れてきた。仮にさらに進めて積極的な安楽死を認めた場合でも、治療の効果が見込めず死が必然となった病気に対して苦痛を取り除く目的に留まるはず。Twitterで言ってるのは主に「自死を目的とした安楽死」だけどそれとは非常に遠い。
「ドクター・キリコ」は『ブラック・ジャック』に登場する医者で、死が確定した病人の苦痛を取り除くために安楽死させる医者だが、そのキリコも「自殺の手伝いなど出来るか、オレの仕事は神聖なんだ」と自殺を全面否定している。
自殺志願者が止められて生き延びた場合、「やっぱり死んでおけばよかった」と考え続ける人と「死ななくてよかった」と思うようになる人の両方がいるので、「死が確定した人への安楽死」と「自殺のための安楽死」との距離は大きい。