CM要素としてレースクイーンがいたっていいと思う。それで集客できるのなら。そしてレースクイーンをやってる人が自分の仕事に誇りを持つのも良いことだ。
ただレースはレースが好きな人じゃないとファンとして定着しないだろ。美女目当てなら別にそこじゃなくてもいい。だからこのインタビューを受けてる人も仕事に誇りを持ちながら自分の「職分」はちゃんと弁えてると思う。
『ゴルゴ13』のネタにF1のがあって、日本人の熱心なエンジニアがすごく強いマシンを作るんだけど、その会社の社長が「勝ちすぎちゃいかん」と言ってエンジニアを止める。でもエンジニアは純粋にレースが好きで「わざと負ける」なんて許せない。結局、社長がゴルゴに依頼して自社のマシンを狙撃させ、リタイアさせるんだよね。
その話の中に、ヨーロッパ人のお偉方が「F1は我々のものであって東洋人のものじゃない」と言う場面がある。エンジニアは「F1は世界のものだ」と反論するけど「東洋人に何がわかる」と一蹴される。F1で白人が東洋人に負けるのは許せない、そんなことが続けば東洋の車を排除するぞ、という脅しに社長が屈したというか、結局それが現実だっていう経営判断だったんだ。
東洋の車が西洋の車よりも速いのはあってはならないという人種差別が背景にあった。ゴルゴのストーリー自体はフィクションでも背景は基本的に事実を題材にしてるから、それも本当なんだろうな。
特に今回の戦争よりもずっと前に描かれた「アナライズ・ウクライナ」という作品や、福島原発事故よりもずっと前に描かれた「2万5000年の荒野」という作品は秀逸だ。