別離とか失恋を題材に歌詞を書こうとする場合
"戻らない幸せがあることを"に続く文章として
例えば自分を主格にして「あなたが去った日に知った」だったら他のJ-POPとか歌謡曲にありふれてるけど
あえて与格の「最後にあなたが教えてくれた」とするシニカルさが一味違うところやん
本来男性シンガーが綴れば女々しく受け取られるべき心情もあけすけに
「あの日の悲しみさえ(中略)そのすべてを愛してた あなたとともに」「胸に残り離れない苦いレモンの匂い」と告白して
別れという苦痛から決別できないまま、それでもなお相手の不在をひとつのメッセージとして受け取るという決心を経て
「わたしのことなどどうか忘れてください」「今でもあなたは私の光」と一つの解決を模索した筆跡に
従来の問題投げっぱなしな失恋ソングとは異なる米津的な男らしさを見出すことができる
ラストのタイトル回収的な一句はもう散文詩さながらやん
J-POPもまだまだ生きていると思える米津玄師のニューアルバム「Lemon」をみんな買おう
僕はもうyoutubeで聴いたから買わないけど