ジェイソンの独り言

974Jeison@らくえん
2020-10-04 17:19:24
ID:jeison_biz

>>97
そうなんすよ

革命初期の最も急進的な政府(山岳派)ですね

かなり過激なこと実行していて、病院や施療院などの施設をすべて政府が接収して廃止してしまうんですよね
これらの施設は当時教会と併設されていることが多かったので、特権階級による搾取だと見なされたのです
そして病院で医療を施す者、つまり医師も特権階級とみなされ、医科大学や医師団体、学会などもすべて廃止してしまいます
これらの団体がなくなったことで、医師は他の職業と同じ自由業になってしまいました
現代風にいうと「規制改革」によって、医業への新規参入が簡単になったというわけですね

やっていることはネオリベに近いんですが、背景にある思想は少し違います
彼らが言うには、病院や医師は患者を搾取しているというわけですね
病院に閉じ込めるより、自宅で自由な環境でいたほうが、健康だと

これは一つの真実でもあります
というのもやはり革命前の病院や医科大学が酷かったというのは事実です
大学教授による賄賂は横行し、治療と称して独房のような施療施設に閉じ込めていたりもした

フランス革命の根本にあるのは特権からの解放であり、「自由」に対する神話ですね
すべての特権を廃止して自由になれば、幸せになれるだろうという発想

そしてもう一つは市民の力を絶対視していたということだと思います。
フランス革命はやはり市民の力によって成り立っていたので、弱い立場の患者ではなく、健康で強い市民というものへの幻想があったのだと思います。

一方で公的扶助というシステム自体が始まるのもフランス革命だったりします
革命前の王政府の福祉策というのは、各宗教施設の良心に一任されていて、公助なんてそもそもなかったわけですからね

まあ実際のところは、山岳派の政策は大失敗に終わって社会に大混乱を招くことになるのですが・・・
貧民と藪医者があふれ返り、病院に行けなくなった患者が次々と野垂れ死んでいったわけです
(当時の記録では医科大学に行っていない無知な藪医者が大真面目に治療薬と称してヒ素を使っていたりした)


その後山岳派失脚以降に公助システムが徐々に整えられていき、医師には試験による「免許制度」というのが初めてできるのです
このあたりの医療制度改革の変遷はとてもとても面白い

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