https://news.yahoo.co.jp/articles/94f29d1b77c1049294628f0b130a7ed01075938d
>中国という大国に対して1対1というよりも、多国間で「我々の考え方が普通なのだ。君たちに考え方を変えてもらわなければいけない」ということで対応した方が得策だと思うのです。中国とASEANとの関係を見ても、中国はどちらかと言うと1対1でやろうとするのです。
まさにこの状態は中国の戦国時代の合従連衡で、多国間協力の合従に対して、中国は合従崩しのための連衡策をとってくる。中国人は昔から自分たちの歴史が世界一と思っていて、それだけに歴史に学ぶ習慣があるから、今も戦国時代の秦に自分たちをなぞらえて、「天下統一」の策を考えてるだろう。
もちろん、中国はアメリカ本土を攻略しようとまでは考えないから、ゴール地点は戦国時代でいえば始皇帝の完全統一までいかず、「秦の昭襄王を西帝、斉の湣王を東帝とした時代」だろう。太平洋をはさんで中国が西帝、アメリカを東帝として分割すること。
でも今はその時とは状況が違う。
かの時代は合従側に国力の差が比較的小さく、反秦同盟のリーダーの座をめぐって仲間割れがあったこと。国力では楚>斉>趙>魏=燕>韓といった感じか。特に楚と斉がよく争っていた。また、そういう仲間割れに仕向けたのは秦に張儀という天才的な弁舌の士がいたからだが、今の中国は軍事力と経済力はあるけど外交力が低い。軍とカネにものを言わせた力技なのでかえって敵を結束させるし、合従側のリーダーは競う余地もなくアメリカしかいないから仲間割れも起きにくい。
戦国時代の秦も経済成長著しく、今の中国も同じだが、秦はたとえ始皇帝という天才が現れなくてもいずれ天下統一できただろう。それは秦と他国の国力の差が開く一方だったから。中国は今でこそ成長が著しいが、今後は過去の一人っ子政策のせいで少子高齢化が進み、アメリカを追い抜いたとしてもそんなに長く君臨できない。だから、勢いがあるうちに覇権を握らねばならないという焦りがある。
ロシアは、世界がアメリカに一極化するのを嫌うから中国に味方しているが、中国が強くなりすぎると隣国だけにアメリカ以上に嫌な存在となる。だからロシアは中国が優勢になるとかえって中国から離れて、逆に中国の国力を削るほうに回る。ロシアは北東アジアから中央アジア、東欧、北極海の主導権が欲しい。それにはアメリカにも中国にも干渉されない世界を望む。
今後のロシアにとって大きいのは北極海で、それにはどこかでカナダやアメリカ、デンマークと外交決着する必要がある。
一見強そうに見える中国には弱点が多いんだよね。だから記事にあるように、アメリカが中距離ミサイルを第一列島線に配備するようなきっかけがあれば、諦めるしかなくなるかもしれない。仮に台湾に侵攻してアメリカとの戦争に入れば、勝てるかどうか分からないどころか、隙を突いてチベットやウイグルが独立してしまう危険がある。もちろん台湾で戦争が起きればアメリカは後方攪乱のためにそう仕向けるだろうし。