南雲7 平成から令和へ

763南雲@お人好し
2021-04-01 22:09:03
ID:PBfamily

漢の創始者・劉邦が天下を取るのに軍事面で大活躍した将軍韓信に、有名な戦法「背水の陣」がある。
兵法書には、布陣するときは川を前にしろっていうルールがあるのに、韓信は真逆に川を背後に布陣することで、少数の兵で大軍を打ち破った。
このとき他の将軍達が「なぜ兵法の逆をやって勝てたのか」と不思議がって、韓信が「兵法書を丸暗記してその通りにやるだけではダメ、要は兵法をいかに応用するかだ」と答えた。

知識ってそんなものだと思う。
インプットしたものをそのままアウトプットするのは単なる物知りであって賢さではない。
インプットした知識を消化して、状況によって適切に応用する人が賢いのだと思う。

「背水の陣」という言葉が有名になったら、今度は何も考えずに、単純に逃げ道を捨てて突き進むしかない状況に自分を追い詰めれば成功するんだ、と勘違いする人が大勢出る。応用力で定石を打ち破ってイレギュラーな方法で大成功した例を見て、そのイレギュラーが成功への定石だと思ってしまう。それこそ背水の陣を理解してない、韓信が「これじゃダメ」と言った、知識をそそまま使うやり方そのもの。

知識は材料、賢さは腕前みたいなものだと思う。
どれだけ材木を集めても立派な家が建つわけじゃない。一方で、どんなに腕が良くても、材木がなければ家は建たない。
ネットや本で材料は集まる。受験もなんとかそれでクリアできるだろう。賢さは、材料を集めたうえで、それを適切に組み立てて素晴らしい家を建てる能力だと思う。

思うに、じぇいそんが「物知りにはなるにつれて馬鹿になっていってる」と感じるのは、材木(知識)を集めることしかしない人のことだろう。自戒の念とも言ってるけど、じぇいそんの場合は今、材木を集めるスピードが加工するスピードを上回ってるせいで、手つかずの材木やら丸太の量が増えていってるからだと思う。手つかずの材料が山積みになってたら、自分の加工能力が悪いように見えてしまう。

でも、知識が体系的になってくると、あっちの知識とこっちの知識がだんだん結びつきやすくなっていく。バラバラのものが、断片的な結びつきを経て、だんだん巨大なネットワークを構築する。そうすると、新規に入手した知識も、どこに配置すればいいのか分かりやすくなっていく。ジグソーパズルの組立てが進めば進むほど加速度的に作業効率が上がっていく、それに似てると思う。

私がときどきじぇいそんの意見をアテにするのは、情報量だけでなく応用力もアテにしてるからだよ。

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