南雲7 平成から令和へ

208南雲@お人好し
2019-07-16 20:17:32
ID:PBfamily

身も蓋もない言い方になるけど、政治は若者に寄らないわけでも年寄りに寄るわけでもなく、票田に寄り添うんだよ。誰のせいであろうとなかろうと、自ら票田になることを諦めた人々に政治家は寄り添ってくれない。寄ってくれるのを待つんじゃなくて、寄らせるための投票なんだ。

これは時々論じられることだけど、日本は民主主義国ではあるが、その民主主義は「与えられたものである」と。日本の民主主義は、市民革命を経ていなくて、市民(国民)が自ら戦って手に入れたものでないから、誰か(お上)が権利を与えてくれるのを黙って待っている、って。

学校というお上が教えてくれようとくれまいと、自分の権利は自分で行使する以外に、守る方法がない。いつか日本が荒廃して、暮らして行けなくなったときに、「教えてくれなかった学校のせいだ」と言ったって、それがいくら事実であっても、もう手遅れだ。そうなってしまう前にどうにかしなければいけない。自分のため、あるいは自分たちのために。

ちなみに学校がそこに踏み込まないのは、怠慢というよりも学校そのものが困っているからだ。学校教育は、政治的不偏が要求される。特に公立学校は教員が公務員だけに、特定の思想を流布することは厳禁だ。与党にも野党にも加担しちゃいけない。そんな中で、いきなり高校生に選挙権が与えられて、政治参加するよう教育しろって言われても何をどこまで教えたらいいのか、踏み込みすぎると教育公務員として違法になるんじゃないかと、学校側もかなり苦労してるらしい。

実際にはいろんな考え方がある。消費税についても、日本の借金を返さなければいけないし、高齢化が進むのは避けられないから社会保障費も間違いなく増える。その財源を確保するには、増税は避けて通れない、嬉しくなくても仕方がないから容認すべきだという意見もある。
その一方で、消費税は低所得者に厳しいので弱い者いじめである。また、増税すれば消費そのものが落ち込むから、増税しても税収はそれほど増えないばかりか、不景気になって日本が衰退する、増税は自殺行為という意見もある。

そんなの、予備知識があってもどっちに転ぶか分からない。専門家の間でも意見が分かれてるのに、少々の予備知識を持ってても一般人に正確な予測ができるはずがない。でも、増税するのかしないのか、どっちかを選ばないといけない。選ぶのはどこかのお偉方ではなくて国民なんだ。それが民主主義だ。
もちろん、消費税だけじゃなくていろんな争点がある。どの争点が特に重要なのかも、一人一人考え方が違う。「これが正解」と断言できる人はいない。たとえ断言する人がいても、それはその人の考え方であって、本当に正解という保証は全くない。

そらまあ受験生にとっちゃ「選挙よりも自分の合否がずっと大事」というのが本音だろうね。私が受験生でもそう考えるよ。受験を犠牲にしてまで政治の予備知識をつけて投票しろなんて言わないよ。有権者といっても、個人個人にはその人なりの都合がある。だから、棄権しちゃダメとは言わないけど、原則的にはできるだけ投票しましょうってことだよ。

私が20歳のころ初めて投票に行ったけど、今になると、あの時の私は自分なりに考えてはいたけど考えが足りなかったな、とつくづく思う。今なら別の人に投票しただろう。でも、今の私の考え方で投票することが、日本にとって本当に正しいのかなんて分からない。「私はこう思う」で選ぶだけだ。
誰だって、「私はこう思う」以上の根拠はない。だからそれでいいんだよ。

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