パワード・ギア

作者名:じ

2041年、アメリカと中華人民共和国が武力衝突。米大統領、中国共産党総書記、お互いに開戦を公式発表。第三次世界大戦の先触れとなるかと思えたが、ごく淡々に戦場は海から中国大陸に進んで中華人民共和国の首都圏間際にまで交戦区域が広がっていた。
 激戦が予想されていた米中戦争だが、人民解放軍は撤退を繰り返し、後は降伏を待つだけだった。

 軍事同盟を結んでいる日本は戦火を逃れてきた中国人のために難民キャンプを設営。主に陸上自衛隊を中心に支援部隊が編成されて米軍と共同戦線を張っているが、実際は米軍のみが前線へ向かっていた。
 ついに首都圏への爆撃を迫られるアメリカ国は、進軍の足を止めてひたすら人民解放軍の動きを待っている。今や国連は機能しない。中国の同盟国である北朝鮮は沈黙を見せ、ロシアも加担する気配はない。
 日本は後方支援のみ、ヨーロッパ諸国は対岸の火事のように米中戦争を冷やかな目で見つめていた……。

 開戦から1年が経過、人民解放軍は全く動きを見せず、米軍の足は止まってしまっている。難民キャンプの数は膨れ上がり、首都圏から民間人は消え去ったように思えた。
 全世界に普及した全長4メートル前後の最新人型兵器パワード・ギアは、歩兵より上位の陸戦兵器として戦場に投入されている。
 米海兵隊機「ビートル」は陸上自衛隊が管轄する難民キャンプの護衛と周囲偵察を担っており、今日も40mm対物ライフルと共に野山をさまよう。